譜面を作成しましたので、良かったら弾いてみて下さい。
【コード進行】
アナライズのためにローマ数字(ディグリーネーム)に置き換えると
Ⅰ-Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ
Ⅰ-Ⅵm-Ⅳ-Ⅰ
となります。
今回のコード進行も、全てダイアトニックコードだけで作られています。
1-4小節目を前半、5-8小節目を後半と分けてみてみると、前半も後半も全体的なコード進行は似ています。
その中で、前半の4小節目にはドミナントであるⅤを配置することで、もう一回しアウトロが続くようにコード進行を循環させ、後半の8小節目にトニックであるⅠを配置することで、曲の終わった感じを演出しているのがポイントです。
【フレーズ】
今回も基本的にはペンタトニックスケールを主体に構成されており、随所にダイアトニックスケールの音が追加されています。
こうやって見てみると、今回はダイアトニックスケール以外の音がないですね。
これはイントロ、ギターソロでも出てきましたが3小節目のコードがG♭(ソ♭シ♭レ♭)なので、コードトーンを意識して弾いています。
この時に鳴っているコードですが、それぞれ4小節目はA♭(ラ♭ドミ♭)、5小節目はD♭(レ♭ファラ♭)なので、ソ♭の音は4小節目のA♭にとってはm7th(key=D♭のとき、A♭は4和音にするとA♭7)、5小節目のD♭にとっては11thなので、D♭の3rdであるファの音に半音でアプローチする接近音(m2ndもしくはMaj2ndのインターバルからコードトーンに解決しようとする音)として捉えることもできるのですが、今回に関してはコードトーンを意識したというよりも、曲のキーであるD♭メジャースケールとしてポジションを見て弾いているんだと思います。
9thから半音上がってコードトーンであるレ♭にアプローチ(接近音)し、m3rdから9thを通過(経過音)してコードトーン(root)のシ♭に解決するこの動き。
【その他ポイント】
今回のポイントは何といっても4小節目から5小節目にかけての速いフレーズでしょう。
早いフレーズを弾く、高い音程の音を弾くことは、その場を盛り上げる効果があります。
【演奏時のポイント】
1音目をピッキングし、2音目をピッキングしないで演奏しますが、プリングは単純に指を真上に離しただけではしっかりとした音が鳴りません。
左手の指を離す際に少し下方向にひっ掻くイメージで離す事により、しっかり発音させる事を意識しましょう。
ピッキングしている音と同じ音量を出すことがポイントです。
いかがでしたでしょうか?
シンプルなペンタトニックスケール+αの音だけで、イントロ、ギターソロ、アウトロとメロディアスで美しいソロを構築することができるいい例だと思います。
また使用している音の一覧表を見ていただくとわかるのですが、使用されている音の数はそれほど多くないと思います。
スケールと聞くと難しそうとか、覚えるのが大変そうとかネガティブな印象を持ってしまう方もいるかもしれません。
そういった方は、いきなりスケールを全部のポジションで覚える必要はありません。
まずは好きな曲で使用されているポジションだけ覚える。
次に好きな曲に合わせてそのポジションだけで自由にアドリブをして遊んでみる。
次にその隣のポジションのスケールも覚えて使ってみる。
そうすることで、楽しくスケールやフレーズが身につくのではないでしょうか?
これからも様々な曲を教科書として取り上げたいと思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
【著者プロフィール】
神田 淳
10歳よりギターを始め、高校卒業後、MI JAPAN GITを卒業
卒業後はプロギタリスト山口和也氏に師事
自身も生徒としてレッスンを受けながら、並行してサポート活動やレッスン活動を開始。
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